【東京科学大学】の活動実績報告書を読み解く:研究の成果だけでなく「自分」をどう伝えるか
※この記事は、東京科学大学が公表している令和9(2027)年度総合型選抜学生募集要項をもとに、活動実績報告書について読み解いたものです。
東京科学大学の総合型選抜では、学院や選抜区分によって「活動実績報告書」の提出が求められます。
活動実績報告書と聞くと、「高校時代にどれだけすごい研究をしたかを書くもの」と考える人もいるかもしれません。
もちろん、研究の成果は重要です。
しかし、東京科学大学が公開している募集要項🔗とアドミッション・ポリシーを合わせて読むと、もう一つ大切なことが見えてきます。
それは、「何を成し遂げたのか」だけでなく、「その活動の中で本人が何を考え、何をしてきたのか」まで伝える必要があるということです。
なぜ大学は活動実績を知りたいのか
東京科学大学の理工学系学士課程のアドミッション・ポリシーでは、「科学技術への知的好奇心や探究心」を持つ人材を求めています。
また、自分の考えを具体的に表現する力や、論理的に思考して知識を活用する力なども挙げられています。
理学院ではさらに、
「教わるだけでなく、自ら主体的に学ぶことができる人」
「自分の意見を持ち、他者と議論することができる人」
などが、求める学生像として示されています。
活動実績報告書は、単に研究テーマや受賞歴を確認するためだけの書類ではないと考えられます。
この人は何に興味を持ち、どのように考え、どのように行動してきたのか。
活動実績報告書は、そうした本人の姿を大学が知るための一つの材料にもなっているのではないでしょうか。
では、実際に何を伝えればよいのでしょうか。
大きく二つに分けて考えてみます。
ポイント1 まず、活動そのものを明確に伝える
最初に必要なのは、「結局、何をした活動なのか」が審査官に伝わることです。
研究であれば、
何を明らかにしようとしたのか。
どのような方法で取り組んだのか。
その結果、何がわかったのか。
まず、この流れを明確にします。
研究内容については、必要な専門性を保ちながらも、研究の目的、方法、結果が審査官に明確に伝わるように整理することが大切です。
「何を知りたかったのか → 何をしたのか → 何がわかったのか」
研究の背景や方法を詳しく説明することだけに紙面を使うのではなく、まずはこの研究の筋道が明確になっているかを確認してみましょう。
そして、その活動が外部からの評価につながっている場合は、それも重要な情報です。
コンテストでの受賞や入選、研究会などでの発表、大会での成績など、客観的に示せる成果がある場合には、何がどのように評価されたのかを明確にします。
実際、東京科学大学が理学院(一般枠)の活動や研究の例として挙げているものにも、「優れた成果」「研究発表」「優秀な成績」といった表現が使われています。
成果を小さく見せる必要はありません。
何をして、何がわかり、それがどのような成果や評価につながったのか。
まずは、ここをわかりやすく伝えます。
ポイント2 その活動の中の「自分」を伝える
もう一つ大切なのが、
その活動の中で、自分は何をしたのか
ということです。
特に、複数の人で行った研究では注意が必要です。
研究全体について詳しく説明しても、それだけでは本人がその中で何をしたのかが見えないことがあります。
東京科学大学が示す理学院(一般枠)の活動・研究例①②では、どちらにも「主導的な役割」という言葉が使われています。
ここは、丁寧に読み解きたいところです。
(1)「主導的な役割」=研究全体のリーダー?
「主導的な役割」と聞くと、
「自分が研究全体を引っ張った」
「グループのリーダーだった」
という意味に受け取ってしまうかもしれません。
しかし、大学は募集要項のこの箇所で、「主導的な役割」が具体的にどの範囲を指すのかまでは説明していません。
そのため、「研究全体のリーダーでなければならない」と決めつける必要はないでしょう。
共同研究では、それぞれが異なる役割を担います。
実験を担当する人、データ分析を担当する人、プログラムを作成する人、先行研究を調べる人など、研究への関わり方はさまざまです。
だからこそ大切なのは、
自分が研究のどの部分を担い、そこで何を考え、何をして、研究全体にどう貢献したのか
を具体的に示すことです。
たとえば、
「私はデータ分析を担当しました」
だけでは、その人の役割はまだ十分には見えてきません。
分析を進める中で、どのような問題に気づいたのか。
その原因をどう考えたのか。
どのような方法を検討したのか。
なぜその方法を選んだのか。
その結果が研究全体にどうつながったのか。
こうしたことまで書かれると、同じ「データ分析を担当した」でも、その人が研究にどのように関わったのかが具体的に見えてきます。
(2)工夫や試行錯誤に「自分」が現れる
研究は、最初から最後まで予定通りに進むとは限りません。
予想した結果が出なかった。
最初の方法ではうまく測定できなかった。
調べていくうちに、当初の仮説では説明できないことが出てきた。
そんなとき、
自分は何に気づいたのか。
どう考えたのか。
何を工夫したのか。
実際にどう行動したのか。
こうしたプロセスには、その人自身の考え方や研究への関わり方が現れます。
「私は研究で主導的な役割を果たしました」
と書くだけでは、実際にどのような役割を担ったのかはわかりません。
それよりも、
何が起きた → どう考えた → どう行動した → その結果どうなった
という具体的な事実を書く。
「主導的な役割」を言葉で説明するのではなく、自分の思考と行動によって示すということです。
最後に、活動実績報告書を書き終えたら、二つのことを確認してみてください。
✅活動そのものが伝わっているか
何を明らかにしようとしたのか。
どのような方法で取り組んだのか。
何がわかったのか。
そして、客観的な成果や評価がある場合には、それが明確に書かれているか。
✅活動の中の「自分」が伝わっているか
自分は何を担当したのか。
何を考え、どのように研究に貢献したのか。
途中で何が起こり、そのとき自分はどう考え、どう行動したのか。
この二つが伝われば、審査官に見えるのは研究成果だけではありません。
その研究に取り組んできた「あなた」自身です。
東京科学大学の募集要項とアドミッション・ポリシーを読み解きながら、自分の活動をもう一度振り返ってみてください。
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