ドットとストーリー、志と芯
私はスティーブ・ジョブズの有名なスピーチが好きです。
人生は点(ドット)の集まりであり、その点は未来に向かってつなぐことはできない。振り返ったときに初めて、点と点が一本の線になっていることに気づく。
そんな話です。
私はアメリカで学んだ経験がありますが、アメリカの大学もまた「ストーリー」が好きだと感じます。
入試でも、面接でも、就職活動でも、
「あなたはどんな人なのか」
「なぜそれを学びたいのか」
「なぜその仕事を選ぶのか」
を語ることが求められます。
自分の人生をひとつのストーリーとして語る文化があるのです。
一方で、日本の高校生と話していると、少し違う反応に出会うことがあります。
「私には特別なストーリーなんてありません。」
そんな言葉です。
私はその気持ちもよく分かります。
日本では、自分自身について語る機会がそれほど多くありません。
ましてや18歳で、自分の人生をひとつの物語として説明することは簡単ではありません。
だから私は最近、別の言葉で考えるようになりました。
それが「芯」です。
特別な体験がなくてもいい。
全国大会に出ていなくてもいい。
目立った実績がなくてもいい。
ただ、
なぜそれが気になるのか。
なぜそれに心が動くのか。
なぜそれをもっと知りたいと思うのか。
そうしたものの中に、その人らしさが隠れているように思うのです。
部活動の経験。
読んだ本。
誰かとの出会い。
うまくいかなかった出来事。
それらは人生のドットです。
そして、そのドットを振り返ったときに見えてくる共通の方向性が、その人の芯なのかもしれません。
志とは、その芯を未来へ向かって伸ばしたもの。
そう考えると、私がこれまで探究学習や総合型選抜で大切にしたかったことも少し整理できる気がします。
ストーリーを上手に作ることではない。
まず、自分の芯を見つけること。
もしかすると、アメリカ人が「ストーリー」と呼んでいるものを、日本人は別の形で育ててきたのかもしれません。
最近、そんなことを考えています。
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