書く・語る・考える。探究力があれば自分の言葉でAI時代を乗りこなせる。

志望理由書も面接も、探究で突破せよ!


🌐 人間科学 × 探究テーマとリサーチクエスチョン


「生きやすさの理由」を探る。(高校生向け・人間科学編)
EE式 RQ入り口3型 × RQ出口4型で “人間そのもの” を読み解く

■ はじめに

同じクラス・同じ授業・同じ部活なのに、こんな違いを感じたことはありませんか?

  • 同じくらい忙しいのに、元気なままの人と、すぐにしんどくなる人がいる。
  • 同じ出来事でも、前向きにとらえる人と、すごく落ち込む人がいる。
  • 同じ環境にいても、「居心地がいい」と感じる人と、「生きづらい」と感じる人がいる。
  • 同じ「やる気」に見えても、続く人と三日坊主で終わる人がいる。

この「同じ環境なのに、人によってここまで違うのはなぜ?」という問いに向き合うのが、
人間科学(Human Sciences)です。

人間科学は、

心(心理) × 身体(健康・発達) × 環境(学校・家族・社会)
がどのようにかみ合って、
「生きやすさ」「続ける力」「幸せの感じ方」を作り出しているのかを探る学びです。

心理学・教育学・社会学・健康科学などがギュッと集まった、
「人間そのもの」を総合的に見る分野とも言えます。

スポーツをしていても、していなくても、
コミュニケーションが得意でも、そうでなくても。

日常のふとしたモヤモヤや「なんでこうなるの?」という感覚が、
そのまま人間科学の探究テーマになります。

人間科学の出発点は、
「同じ条件なのに、人によって結果が違う」という不思議さです。

  • 同じ先生・同じクラスなのに、「この学校が好きな人」と「早く卒業したい人」がいる。
  • 同じテスト範囲なのに、「燃える人」と「不安で動けなくなる人」がいる。
  • 同じ部活でも、「やりがいを感じる人」と「消耗してしまう人」がいる。
  • 同じスマホ・同じSNSでも、「つながりが支えになる人」と「しんどさが増える人」がいる。

こうした差を、

・性格だから仕方ない
・運が悪いだけ
・気合が足りない

で終わらせずに、

「どんな要因が組み合わさると、どんな“生き方のパターン”が生まれるのか?」
を読み解くのが人間科学です。

ポイントは、

  • 個人の内側(心・認知・感情)
  • 身体(睡眠・食事・発達・健康)
  • 環境(家庭・学校・友人・社会)

この3つを「バラバラに見る」のではなく、
“組み合わせ”としてとらえるところにあります。

そこでEEでは、探究の流れを次の2ステップに整理しています。

■ EE式:問いを作る2ステップ構造

  • Step1:気づき → 問い(RQ入り口3型)
  • Step2:問い → 結論(RQ出口4型)

この2つがつながると、誰でも深い探究ができます。

人間科学の問いは、次の3つの入り口から生まれます。

「人間そのもの」を扱う分野なので、EE式入り口3型も人間科学専用にアレンジしています。

① 個人差発見型(同じ環境なのに違う)

「同じ状況でも、なぜこの人とあの人は違う反応になるのか?」

・同じクラスなのに、学校が楽しい人/しんどい人
・同じ失敗でも、立ち直りが早い人/引きずる人
・同じ宿題でも、すぐ取りかかる人/ギリギリまで動けない人

個人差に気づくところから始まる入り口です。

② プロセス発見型(変わっていく過程)

「人はどんなプロセスで変化・成長・挫折していくのか?」

・やる気が出るまでのステップ
・習慣が身につく/途切れるプロセス
・自信が育つ/失われる流れ

“Before → After”のあいだにあるストーリーを追う入り口です。

③ 環境設計型(まわりを変える)

「どんな環境だと、人は生きやすく・学びやすくなるのか?」

・クラスの座席配置やルールを変えると、発言しやすさは変わる?
・家庭の「時間の使い方」を変えると、ストレスは減る?
・スマホとの付き合い方を変えると、集中力は上がる?

「人を責める」のではなく、「環境をデザインする」視点を持つ入り口です。

EE式 RQ入り口3型(気づき → 問い)
  • 個人差発見型:同じ状況でも、なぜこの人とあの人は違う反応になるのか?
  • プロセス発見型:人はどんなプロセスで変化・成長・挫折していくのか?
  • 環境設計型:どんな環境だと、人は生きやすく・学びやすくなるのか?
EE式 RQ出口4型(問い → 結論)
  • 比較型:AとBはどう違う?
  • 相関型:AとBはどれくらい関係?
  • 因果型:なぜそうなる?
  • 構造型:どんな仕組み・構造?

入り口の気づきを、“分析できる問い”に変換する型です。

🔵 比較型

タイプAとタイプBを比べて、「どこがどう違うのか」を読む。

例:
・一人時間が多い生徒と、常に誰かと一緒にいる生徒では、ストレスの感じ方はどう違う?
・対面授業とオンライン授業で、集中のしやすさはどう異なる?

🟢 相関型

生活習慣や環境と、「生きやすさ・メンタル」の関係を見る。

例:
・睡眠時間とメンタルの安定にはどのような相関がある?
・家族との会話時間と自己肯定感には関係がある?

🟠 因果型

「なぜその人はそう感じる/そう行動するのか?」という理由(因果)を読む。

例:
・なぜ同じクラスでも、学校が好きな人と嫌いな人がいるのか?
・なぜ続く人と三日坊主の人が生まれるのか?

🔴 構造型

「生きやすさ/生きづらさ」を生み出す仕組み・サイクルを読む。

例:
・燃え尽きるまで頑張ってしまう人の生活サイクルは?
・「居心地のよいクラス」が生まれる条件と構造は?

人間科学は、
「自分や身近な人」をテーマにできるのが大きな特徴です。

🔵【比較型】

  1. 朝型の生徒と夜型の生徒では、学習効率やテスト結果にどのような違いがあるのか?
  2. 一人で過ごす時間が多い生徒と、常に誰かと一緒にいる生徒では、ストレスの感じ方はどう違うのか?
  3. 対面授業とオンライン授業で、集中のしやすさや疲労感はどう異なるのか?
  4. 部活動に参加している生徒と参加していない生徒では、学校生活への満足度にどのような差があるのか?
  5. SNSで発信することが多い生徒と、見る専門の生徒では、孤独感やつながり感に違いがあるのか?

🟢【相関型】

  1. 睡眠時間とメンタルの安定度にはどのような相関があるのか?
  2. 日常的な運動習慣の有無と、幸福感・ストレスレベルには関係が見られるのか?
  3. 家族との会話時間と自己肯定感にはどのような相関があるのか?
  4. スマホの使用時間と集中力(勉強中・授業中)にはどのような関係があるのか?
  5. 他者への感謝を言葉にする頻度と、人間関係の満足度には相関があるのか?

🟠【因果型】

  1. なぜ同じクラスでも、学校が「居心地がいい」と感じる生徒と、「早く卒業したい」と感じる生徒がいるのか?
  2. なぜ同じ目標を立てても、続く生徒と三日坊主で終わる生徒が生まれるのか?
  3. なぜ人前で話すときに、真っ白になってしまう生徒がいるのか?
  4. なぜ「やらされている」と感じる勉強は、成果が出にくいのか?
  5. なぜ一部の生徒は、悩みを人に相談できずに抱え込んでしまうのか?

🔴【構造型】

  1. 続く習慣が身につく生徒の「行動パターン」と「環境要因」の構造はどうなっているのか?
  2. 燃え尽きるまで頑張ってしまう生徒の一日のサイクルや考え方のパターンはどのように構成されているのか?
  3. 「安心して話せる友人関係」ができるとき、どのような要素(経験・環境・コミュニケーション)が組み合わさっているのか?
  4. 生徒にとって「生きやすい学校」が生まれる条件と、その構造はどう説明できるのか?
  5. 一人ひとりの強みが生かされる環境は、どのような仕組みでデザインされているのか?

人間科学の探究は、大学が重視する次のような力を育てます。

  • 自己理解力(自分の心・行動パターンを言語化する)
  • 他者理解力(違いを「性格」と片づけずに、背景から理解する)
  • 環境調整力(周りの条件を変えて、生きやすさをデザインする)
  • 仮説検証力(生活や人間関係に小さな実験を取り入れて確かめる)
  • レジリエンス(回復力)への理解(落ち込みからどう立ち直るかを考える)

これらはすべて、
志望理由書・自己PR・面接で強みとして語りやすい要素です。

人間科学の探究は、次のような学部と深くつながります。

🎓 人間科学の探究がつながる主な学部(日本語/英語)

  • 人間科学部(Human Sciences)
  • 人間環境学部・人間社会学部(Human Environment / Human Society)
  • 人間健康学部(Human Health Sciences)
  • 心理学部(Psychology)
  • 教育学部(Education / Educational Studies)
  • 社会福祉学部・福祉系(Social Welfare / Social Work)
  • 看護・リハビリ・保健系(Nursing / Rehabilitation / Health Sciences)

「自分や他者の生き方のパターン」を探究した経験は、
「なぜその学部で学びたいのか」「将来どんな人を支えたいのか」
という志望理由と、まっすぐにつながります。

  • 人間科学は、「同じ環境なのに人が違う理由」を探る学問。
  • EE式入り口3型で、個人差・プロセス・環境設計から問いを見つけられる。
  • 出口4型で、比較・相関・因果・構造として分析できる問いに変えられる。
  • 自分や身近な人をテーマにできるので、探究が「自分の生き方」と直結しやすい。
  • 探究で得た気づきは、そのまま志望理由書・自己PR・将来像の土台になる。

人間科学は、
「自分はダメだから」ではなく、「自分にはこういうパターンがある」と理解するための学びです。

そして、

・どんな環境だと自分は生きやすいのか?
・どんな関わり方なら、お互い楽でいられるのか?
・どんな学び方なら、自分は力を発揮しやすいのか?

を探究することで、
「自分らしく生きる設計図」を少しずつ描いていく分野でもあります。

人間科学編では、
「心 × 身体 × 環境」の組み合わせから、人の生きやすさ・生きづらさを見てきました。

次の 医学・健康科学編 では、

  • なぜ病気になるのか?
  • なぜ予防できるものと、できないものがあるのか?
  • 健康な社会を作るために、医療以外に何が必要か?

といった視点から、
「からだと健康」を理系寄りに深く探究する世界へと進んでいきます。

日常の「なんとなく不調」から、社会全体の健康まで。
医学・健康科学というレンズで見ると、世界はどう違って見えるのか。
次回もどうぞお楽しみに。

最後に:迷ったら相談してください

探究テーマや志望理由書で迷ったときは、いつでもご相談ください。
一緒に、“あなたの言葉”を形にしていきましょう。

  • 「AIっぽい」文章になっていないかチェックしたい
  • 体験をどう“本物の言葉”に変えるか迷っている
  • 自分らしい声を取り戻したい
  • 評価者に伝わる“人間味”の出し方を知りたい

これらを一緒に整理していきます。

AIが整える時代だからこそ、
整いすぎない“あなたの言葉”を見つける時間が大切です。

✔ 診断メニュー(まずは方向性だけでもOK)

  • 探究テーマの方向性チェック
  • 志望理由書の方向性チェック
  • 体験の意味づけ整理
  • 価値観(芯)の言語化
  • ストーリー構成の診断
  • AIとの使い分けアドバイス

まずは方向性チェックだけでもOK👇


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