“1分の気づき”から問いを作る方法(高校生向け)(教育編)
EE式 RQ入り口3型 × RQ出口4型で “学びの仕組み” を読み解く
はじめに
経済編・経営編・心理編はお読みいただけましたか?
教育編は、探究シリーズの中でも “自分の経験 × 社会の仕組み” を同時に読み解ける、非常に強い分野です。
教育は 「学びの仕組み」 を読む探究。
心理が “一人の心の動き” を扱うなら、
教育は学校・授業・学習方法など、「学びがどのように設計され、人がどう育つのか」 を扱う分野です。
💡 教育探究の魅力は、「自分の経験をデータ化できる」こと。
授業が分かりやすい/分かりにくい。
学習方法が合う/合わない。
先生によって集中できる/できない。
あなた自身の“学びの実感”そのものが、探究の出発点。
🚀 教育探究は、人の成長の“しくみ”を読む学び。
勉強効率、授業デザイン、学習意欲、学校文化、ICT活用――
どれにも「教育デザイン」が関わっています。
「なんでこの授業は分かりやすいの?」
「どうしてこの方法だと勉強が進むの?」
この疑問こそが、教育探究の入り口です。
🌱 教育は“専門理論”より、まず“自分の経験”から。
今日はあなたの学びの経験を、
“学びの仕組みを読む力” に変えていきましょう。
- 教育探究の本質
- EE式 RQ入り口3型(教育版)
- EE式 RQ出口4型(教育版)
- 教育 × 探究テーマ20選
- 探究 → 志望理由書への接続
- 関連リンク(心理編/経営編)
1. 教育探究を動かすのは「学びの違和感」
“学び” に対する違和感・気づき が、すべて探究の素材です。
🔎 教育の“気づき”例
- 先生によって授業の分かりやすさが全然違う
- オンライン授業だと集中できない/できる
- 理解が早い友だちには共通点がある気がする
- 部活と勉強の両立が急にうまくいった
- ICTをよく使う授業のほうが頭に残る
- 朝のほうが記憶しやすい気がする
- テスト勉強は友だちとやると進むときがある
- 学級の雰囲気で発言しやすさが違う
“どうしてそうなるの?” と思った瞬間が、探究の入口です。
そこでEEでは、探究の流れを次の2ステップに整理しています。
■ EE式:問いを作る2ステップ構造
- Step1:気づき → 問い(RQ入り口3型)
- Step2:問い → 結論(RQ出口4型)
この2つがつながると、誰でも深い探究ができます。
2. EE式 RQ入り口3型(教育版)
① 変化発見型
「どの場面で学びが変わった?」
- 理解度が上がった/下がった瞬間
- 集中できる条件が変わった
- 学習方法を変えて成績が動いた
② 視点転換型
「誰にとって、どんな学びの意味がある?」
- 自分
- 友人
- 先生
- 学校
- 授業デザイン(教育者側の視点)
③ 本質探究型
「そもそも、どうして学びは変わる?」
- なぜ理解が深まる?
- なぜグループ学習は効果がある?
- なぜ集中しやすい授業としにくい授業がある?
- なぜICTで学び方が変わる?
EE式:問いを作る2ステップ構造
- 変化発見型:何がどう変化した?
- 視点転換型:誰にとってどんな意味?
- 本質探究型:そもそもなぜ?
- 比較型:AとBはどう違う?
- 相関型:AとBはどれくらい関係?
- 因果型:なぜそうなる?
- 構造型:どんな仕組み・構造?
3. EE式 RQ出口4型(教育版)
教育の問いも、EE式「出口4型」に通すことで、
“分析できる問い” に変わります。
ここでは、それぞれの型がどんな分析につながるかを、シンプルに整理します。
🔵 比較型 ― 授業・方法・環境を比べる型
「どちらが/どう違う?」 を問う型。
例:
先生Aと先生Bで、同じ内容を教えたとき
理解しやすさはどう違う?
🟢 相関型 ― 学習行動 × 結果の関係を見る型
「〇と〇は関係している?」 をデータで見る型。
例:
睡眠時間と記憶力にはどれくらい相関がある?
🟠 因果型 ― 学習の成功/失敗の理由を読む型
「なぜそうなった?」 を考える型。
例:
この授業では、
なぜ生徒の集中が続きやすいのか?
🔴構造型 ― 学びの仕組み・サイクルを読む型
「どんな構造/流れで起きている?」 を図にできる型。
例:
成績が伸びる学習サイクルの構造は?
(きっかけ → 行動 → 結果 → ふり返り …)
4. 教育 × RQ20選(授業/学習行動/ICT/学校文化)
ここからは、上の出口4型にもとづいて、
高校生でもそのまま使える教育系RQ を20個紹介します。
自分の経験に一番近いものから選んでください。
🔵 【比較型】
- 授業Aと授業Bでは、どの場面で理解のしやすさが変わる?
- 自習室と自宅、どちらの方が集中が続きやすい?その違いは何?
- 静かな教室とにぎやかな教室で、学習効率はどう変わる?
- 個別学習とグループ学習で、「分かった」の質はどう違う?
- 朝学習と夜学習、どちらの方が記憶に残りやすい?
🟢 【相関型】
- 1週間あたりの学習時間と定期テストの点数にはどれくらい相関がある?
- 睡眠時間と翌日の集中力(授業中の眠気)には関係がある?
- ノートの整理度とテストの得点には相関がある?
- ICT(タブレット・PC)の活用度と授業満足度の関係は?
- 授業外学習の時間と模試結果にはどんな関連が見られる?
🟠 【因果型】
- なぜこの授業は他の授業よりも理解しやすいと感じるのか?
- なぜある単元だけ急に成績が伸びたのか?
- なぜ定期テスト前になるとやる気が落ちるのか?
- なぜこのノートの取り方に変えてから、復習がしやすくなったのか?
- なぜこの学級では発言が活発になっているのか?
🔴 【構造型】
- 「分かりやすい授業」は、どんな流れ(導入 → 説明 → 例 → 活動 → ふり返り)と工夫の組み合わせで成り立つ?
- 集中が続く学習環境は、どんな要因(人・行動・環境)の組み合わせで作られている?
- 「やる気が上がる → 成果が出る → もっとやる気が出る」好循環は、どんなサイクル構造になっている?
- グループ学習がうまくいくときの共通点から、「成功するグループ学習」の構造は描ける?
- 発言しやすい学校文化・学級文化は、どんな要素(ルール・関係性・雰囲気)の組み合わせで成り立つ?
💬 ワンポイント(教育探究)
🟠 因果型:「この出来事は、なにが原因でこうなったの? を考える」
🔴 構造型:「同じような出来事をまとめて、
どんな仕組み・流れ・サイクルになっているのか図にできる? を考える」
5. 探究 → 志望理由書につなげる
教育探究は、志望理由書との相性が非常に高い分野です。
- 自分の学び方を説明できる
- 授業・学習の成功/失敗の理由を語れる
- 教育改革・ICT・学習デザインに興味を示せる
教育に興味をもった理由 を論理的に語れるので、総合型・推薦で強みになります。
6. 教育探究はどんな学部につながる?
教育は多分野と接続する横断系の学びです。
教育(Education)
教育工学(Educational Technology)
心理(Psychology)
社会(Sociology)
国際教養(Liberal Arts)
総合政策(Policy Studies)
7. まとめ
- 教育探究は“学びの仕組み × 違和感 × 分析”
- あなたの学習経験そのものが探究の出発点
- EE式入り口3型で疑問を問いに変換
- EE式出口4型で授業・学習を分析できる
- 教育分野は志望理由書との相性が非常に高い
8. 次回予告
社会 × 探究 ― “人と人のあいだで起きること” を読み解く
教育は「学びの仕組み」を読む探究。
次は、
「人と人のあいだで起きている現象は何で決まる?」
「集団のふるまいにはどんな法則がある?」
という “社会の動き” を探る社会編です。
これまでの「経済」「経営」「心理」シリーズもあわせてどうぞ!
最後に:迷ったら相談してください
探究テーマや志望理由書で迷ったときは、いつでもご相談ください。
一緒に、“あなたの言葉”を形にしていきましょう。
- 「AIっぽい」文章になっていないかチェックしたい
- 体験をどう“本物の言葉”に変えるか迷っている
- 自分らしい声を取り戻したい
- 評価者に伝わる“人間味”の出し方を知りたい
これらを一緒に整理していきます。
AIが整える時代だからこそ、
整いすぎない“あなたの言葉”を見つける時間が大切です。
✔ 診断メニュー(まずは方向性だけでもOK)
- 探究テーマの方向性チェック
- 志望理由書の方向性チェック
- 体験の意味づけ整理
- 価値観(芯)の言語化
- ストーリー構成の診断
- AIとの使い分けアドバイス
まずは方向性チェックだけでもOK👇





