書く・語る・考える。探究力があれば自分の言葉でAI時代を乗りこなせる。

志望理由書も面接も、探究で突破せよ!


🌐 環境科学 × 探究テーマとリサーチクエスチョン


「私たちは、どんな環境の中で生きているのか?」(高校生向け・環境科学編)
EE式 RQ入り口3型 × RQ出口4型で “地球・環境と人間の関係” を読み解く

■ はじめに

「最近、自然や環境のニュースが増えていませんか?」

・住宅地に出没するクマやシカ (2025年の漢字に選ばれましたね!
・毎年のように起きる大規模な山火事
・これまでに経験したことのない酷暑
・地震や豪雨による被害の拡大

こうした出来事を、ニュースや番組で目にする機会が、ここ数年で明らかに増えています。

自然番組が好きな人(たとえばNHKの「ダーウィンが来た!」が好きな人)は、
「人間と動物は、どうやって共存できるのだろう?」
「自然はなぜ、こんな変化を見せているのだろう?」
と、ふと考えたことがあるかもしれません。

「私たちは、どんな環境の中で生きているのか?」
この問いこそが、環境科学の出発点です。

同じ日本、同じ地球に住んでいても、
私たちを取り巻く環境は、実は大きく違っています。

環境科学(Environmental Science)は、
自然・人間・社会がどう関わり合って今の環境ができているのかを、
科学的に読み解く学問です。

◆ 環境は「背景」ではなく「原因」になる

環境科学の重要な視点は、
環境を「ただの舞台背景」として扱わないことです。

空気・水・音・温度・エネルギー・土地利用…。
これらはすべて、

  • 人の健康
  • 行動の選択
  • 経済活動
  • 地域の安全

直接影響する要因です。

医学・健康科学が「からだ側」からしんどさを見たのに対し、
環境科学は「外側の条件」から人の生きやすさ・生きにくさを読み解きます。

そこでEEでは、探究の流れを次の2ステップに整理しています。

■ EE式:問いを作る2ステップ構造

  • Step1:気づき → 問い(RQ入り口3型)
  • Step2:問い → 結論(RQ出口4型)

この2つがつながると、誰でも深い探究ができます。

環境科学の探究は、次の3つの入り口から始まります。

① 環境差・地域差発見型

「なぜ場所によって、環境や暮らしやすさが違うのか?」

・都市と地方で、暑さや騒音はどう違う?
・同じ川でも、水質が違うのはなぜ?
・災害に強い地域と弱い地域の差は?

「違い」に気づくことから始まる入り口です。

② 人間×環境 相互作用型

「環境は、人の行動や健康にどう影響しているのか?」

・暑さが学習効率に与える影響
・騒音や光が睡眠に与える影響
・空気の質が体調に与える影響

人間と環境の双方向の関係を考える入り口です。

③ 持続可能性・未来設計型

「この環境は、これからも続くのか?」

・今のエネルギーの使い方は持続可能?
・ゴミや資源はどう循環している?
・将来世代にどんな環境を残す?

未来から逆算して考える入り口です。

EE式 RQ入り口3型(気づき → 問い)
  • 環境差・地域差発見型 :なぜ住みやすさが違う?
  • 人間×環境 相互作用型:人の行動や健康にどう影響しているのか?
  • 持続可能性・未来設計型:これからも続くのか?
EE式 RQ出口4型(問い → 結論)
  • 比較型:AとBはどう違う?
  • 相関型:AとBはどれくらい関係?
  • 因果型:なぜそうなる?
  • 構造型:どんな仕組み・構造?

気づきを、分析できる問いに変える4つの型です。

🔵 比較型

地域・条件・政策を比べて、違いを読む。

例:
・都市部と地方では、夏の暑さ(体感温度)にどのような違いがあるのか?
・学校の周辺環境(緑・騒音)によって、学習環境は変わるのか?

🟢 相関型

環境データと、人の状態・行動の関係を見る。

例:
・気温と熱中症の発生数にはどのような関係があるのか?
・騒音レベルと睡眠の質には相関が見られるのか?

🟠 因果型

「なぜその影響が起きるのか?」という理由(因果)を読む。

例:
・なぜ都市部ではヒートアイランド現象が起きるのか?
・なぜ森林減少は災害リスクを高めるのか?

🔴 構造型

自然・社会・経済のつながり(仕組み)として読む。

例:
・大量生産・大量消費は、どのような構造で環境負荷を生んでいるのか?
・持続可能な社会は、どんな制度・技術・価値観の組み合わせで成り立つのか?

環境科学は、
「身の回りの空気・水・音・温度・エネルギー」から、
地球規模の気候変動まで探究できるのが大きな特徴です。

🔵【比較型】

  1. 都市部と地方では、夏の体感温度や暑さ対策にどのような違いがあるのか?
  2. 緑が多い学校と少ない学校では、学習環境(集中・疲労感)に違いはあるのか?
  3. 日本と海外で、プラスチック削減の仕組み(制度・回収・再利用)はどう違うのか?
  4. 災害に強い地域と弱い地域の違いは何か?(地形・土地利用・防災計画)
  5. 再生可能エネルギーを導入している地域としていない地域では、生活や意識に差があるのか?

🟢【相関型】

  1. 気温の上昇と熱中症発生数にはどのような関係があるのか?
  2. 大気汚染(PM2.5など)レベルと体調不良の訴えには相関があるのか?
  3. 緑地面積とストレスの自己評価には関係が見られるのか?
  4. 騒音レベル(交通・近隣)と睡眠の質には相関があるのか?
  5. 家庭・学校のゴミ排出量と消費行動(買い方・使い方)には関係があるのか?

🟠【因果型】

  1. なぜ都市部ではヒートアイランド現象が起きるのか?
  2. なぜ大気汚染は呼吸器や循環器に影響を与えるのか?
  3. なぜ森林減少は洪水・土砂災害などのリスクを高めるのか?
  4. なぜ気候変動は食料問題(価格・供給・栄養)につながるのか?
  5. なぜ環境政策(有料化・規制・補助)は人々の行動を変えるのか?

🔴【構造型】

  1. 私たちの生活は、どのような資源・エネルギーの循環で支えられているのか?
  2. 大量生産・大量消費の仕組みは、どのような構造で環境負荷を生んでいるのか?
  3. 地域の環境問題は、どの主体(家庭・企業・自治体・学校)の関係で生まれているのか?
  4. 持続可能な社会は、どんな制度・技術・価値観の組み合わせで成り立つのか?
  5. 地球規模の環境問題は、どのような構造(国・経済・産業・生活)で解決されうるのか?

環境科学の探究は、大学が重視する次のような力を育てます。

  • データ読解力(気温・降水・大気・水質などのデータを読み取り説明する力)
  • 因果で考える力(「なぜ起きる?」を仕組みとして説明する力)
  • 構造をつかむ力(自然×社会×経済のつながりとして問題を見る力)
  • 未来設計力(持続可能な選択肢を考える力)
  • 協働の視点(行政・企業・地域・家庭など、多主体で解決する視点)

これらはすべて、
志望理由書・自己PR・面接で強みとして語りやすい要素です。

環境科学の探究は、次のような学部と深くつながります。

🎓 環境科学の探究がつながる主な学部(日本語/英語)

  • 環境科学部(Environmental Science)
  • 環境工学部(Environmental Engineering)
  • 地球科学・地理学(Earth Science / Geography)
  • 都市・地域計画(Urban Planning)
  • 公衆衛生・環境政策(Public Health / Environmental Policy)
  • サステナビリティ学部(Sustainability Studies)

「どんな環境なら、人は健康に、安心して生きられるのか」
という探究は、「なぜその学部で学びたいのか」「将来どんな社会に関わりたいのか」という志望理由と、まっすぐにつながります。

  • 環境科学は、人と環境の関係を読み解く学問。
  • EE式入り口3型で、地域差/相互作用/未来設計から問いを見つけられる。
  • 出口4型で、比較・相関・因果・構造として分析できる問いに変えられる。
  • 身近な空気・水・音・温度から、地球規模の課題まで探究できる。
  • 探究で得た視点は、志望理由書・自己PR・将来像の土台になる。

環境科学は、
「環境問題は遠い世界の話」と片づけるのではなく、
「どんな環境条件が、人の暮らしや健康、行動に影響しているのか」
を読み解くための学びです。

そして、

・どんな空気・水・音・温度が、人の生活を快適にも不快にもしているのか?
・どんな社会の仕組みが、環境への負荷を生み出しているのか?
・どんな選択や制度なら、将来の“しんどさ”を減らせるのか?

を探究することで、
「人と環境が無理なく共存できる選択肢」を増やしていく分野でもあります。

環境科学編では、
「空気・水・音・温度・エネルギー」と人間の暮らしのつながりを見てきました。

次の 理工学編 では、

  • なぜ技術は社会を便利にしながら、新しい課題も生むのか?
  • 「しくみ」を作る側の発想(設計・最適化)は、どんな問いになるのか?
  • AI・エネルギー・材料・インフラを、どう“未来設計”につなげるのか?

といった視点から、
「技術で世界をどう設計し直すか」を探究する世界へ進んでいきます。
次回もどうぞお楽しみに。

最後に:迷ったら相談してください

探究テーマや志望理由書で迷ったときは、いつでもご相談ください。
一緒に、“あなたの言葉”を形にしていきましょう。

  • 「AIっぽい」文章になっていないかチェックしたい
  • 体験をどう“本物の言葉”に変えるか迷っている
  • 自分らしい声を取り戻したい
  • 評価者に伝わる“人間味”の出し方を知りたい

これらを一緒に整理していきます。

AIが整える時代だからこそ、
整いすぎない“あなたの言葉”を見つける時間が大切です。

✔ 診断メニュー(まずは方向性だけでもOK)

  • 探究テーマの方向性チェック
  • 志望理由書の方向性チェック
  • 体験の意味づけ整理
  • 価値観(芯)の言語化
  • ストーリー構成の診断
  • AIとの使い分けアドバイス

まずは方向性チェックだけでもOK👇


PAGE TOP