“1分の気づき”から問いを作る方法(高校生向け)(社会編)
EE式 RQ入り口3型 × RQ出口4型で “人と人のあいだ” を読み解く
■ はじめに
社会の探究は、
“人と人が集まったときにだけ生まれる現象” を読み解く学びです。
1人では起きないのに、
人数が増えると行動が変わる、空気が変わる、広まり方が変わる。
その“不思議”こそが社会探究の面白さ。
たとえば――
- なぜあるクラスだけ雰囲気が良い?
- なぜ流行が一気に広まる?
- なぜSNSの意見は極端になりやすい?
- なぜ学校によって「空気」が違う?
これらはすべて、
人が集まった瞬間に生まれる“見えない力” を読む問いです。
心理が「一人の心の中」を扱うのに対して、
社会は “人と人のあいだ” を扱う探究。
あなたが毎日見ているクラス・休み時間・SNS・部活の世界が、
そのまま 問いの宝庫 になります。
1. 社会探究を動かすのは「現象」
社会は、日常の中に“気づき”が非常に多い分野です。
🔎 社会の気づき例
- ある班だけなぜか仲が良い
- SNSの炎上が一気に拡散する
- 行列ができる店とできない店の違い
- 学校によって文化祭の熱量が全然ちがう
- 同じ教室でも班ごとに空気が違う
個人ではなく“人のあいだに生まれる現象”に目を向けること。
ここが社会探究の入り口です。
そこでEEでは、探究の流れを次の2ステップに整理しています。
■ EE式:問いを作る2ステップ構造
- Step1:気づき → 問い(RQ入り口3型)
- Step2:問い → 結論(RQ出口4型)
この2つがつながると、誰でも深い探究ができます。
2. EE式 RQ入り口3型(社会版)
社会の問いは、次の3つの入り口から生まれます。
① 変化発見型
「何が、どう変わった?」
学校文化・クラスの雰囲気・流行など、
現象の変化 をつかむことが社会探究のスタート。
② 視点転換型
「誰にとって、どう見える?」
生徒・教師・親・同級生グループ・地域・SNSの他者など、
立場が変わると“世界の見え方”が変わるのが社会現象の本質。
③ 本質探究型
「そもそもなぜ?」
なぜ広まる?
なぜ変わる?
なぜ空気が生まれる?
仕組みや背景の理由を読む問い。
EE式:問いを作る2ステップ構造
- 変化発見型:何が、どう変わった?
- 視点転換型:誰にとって、どう見える?
- 本質探究型:そもそもなぜ?
- 比較型:AとBはどう違う?
- 相関型:AとBはどれくらい関係?
- 因果型:なぜそうなる?
- 構造型:どんな仕組み・構造?
3. EE式 RQ出口4型(社会版)
入り口の気づきを、“分析できる問い”に変換する型です。
🔵 比較型
集団・グループを比べて “違い” を読む
例:クラスAとBで雰囲気はどう違う?
🟢 相関型
人数・文化・行動と結果の 関係を見る
例:人数と発言率に関係はある?
🟠 因果型
社会現象が起きる 理由を読む
例:なぜある学校だけ文化祭が盛り上がる?
🔴 構造型
現象を生む 仕組み・サイクル を読む
例:流行が広がる構造は?
4. 社会 × 探究RQ20選(比較/相関/因果/構造)
社会は“現象の宝庫”なので、
身近な高校生活から大人の社会まで、あらゆるものがテーマになります。
🔵【比較型】
- AクラスとBクラスで発言率はどう違う?
- 行列ができる店とできない店の違いは?
- 部活ごとに雰囲気はどう変わる?
- SNSで伸びる投稿と伸びない投稿の違いは?
- にぎやかなクラスと静かなクラスの差は?
🟢【相関型】
- グループ人数と発言のしやすさは相関する?
- SNS利用と孤独感の関係は?
- 友人関係の広さと学校満足度は関係する?
- 行列の長さと満足度はつながる?
- 学校文化と参加意欲は関連する?
🟠【因果型】
- なぜ同調行動が起きる?
- なぜある店だけ急に流行る?
- なぜSNSで意見が極端になる?
- なぜ学校によって“空気”が違う?
- なぜ文化祭が盛り上がる学校と盛り上がらない学校がある?
🔴【構造型】
- 流行が広がる構造は?
- クラス文化が生まれるサイクルは?
- SNS炎上の仕組みは?
- “空気を読む行動”はどう生まれる?
- コミュニティが魅力を高める構造は?
5. 探究 → 志望理由書につなげる
社会の探究は、大学が重視する以下の力を伸ばします。
- 観察力(現象を読み取る)
- 分析力(要素のつながりを見る)
- 視点の多様性(立場による違いを理解する)
- 批判的思考力(背景の理由を考える)
これらは志望理由書の説得力に直結します。
そして社会系の探究は、次の学部と深くつながります。
🎓 社会探究がつながる主な学部(日本語/英語)
- 社会学部(Sociology)
- 教育学部(Education / Educational Studies)
- 文化人類学・人類学(Anthropology / Cultural Anthropology)
- コミュニティデザイン(Community Design / Community Studies)
- 国際教養・リベラルアーツ(Liberal Arts / International Studies)
- 総合政策(Policy Studies / Public Policy)
- メディア・コミュニケーション(Media / Communication Studies)
- 地域学・地域創生(Regional Studies / Community Development)
- 社会福祉(Social Welfare / Social Work)
探究で扱った
クラス文化・集団行動・SNS現象・流行・学校文化
などのテーマは、これらの学部の学びとほぼ直接つながります。社会の探究は、大学が重視する以下の力を伸ばします。
6. まとめ
- 社会探究の本質は「人と人の“あいだ”を見ること」
- EE式入り口3型で、現象を問いに変えられる
- 出口4型で、問いを“分析できる形”にできる
- 身近な集団・SNS・文化・学校生活は全部テーマになる
- 社会探究はそのまま志望理由書の核になる
7. 次回予告
社会は「人と人のあいだ」で起きる現象を扱いました。
次の 文化編 では、さらに一歩踏み込みます。
文化とは、
私たちが“当たり前”だと思っている行動・価値観・習慣の背景にある物語 を読み解く探究です。
- なぜ学校ごとに雰囲気が違う?
- なぜ地域で挨拶の仕方が違う?
- なぜ制服文化が根強い?
- なぜ推し活は「文化」になるのか?
- なぜ日本と海外で“常識”が変わる?
こうした 「そういえば、なんで?」 が文化探究の入口。
あなたがふだん無意識にやっていることにも、
実は 歴史・価値観・社会背景のレイヤー が隠れています。
“空気の正体” を読み解く文化探究、どうぞお楽しみに。
あわせて読みたい!
- 🌐 文化 × 探究テーマとリサーチクエスチョン
- 🌐 社会 × 探究テーマとリサーチクエスチョン
- 【保存版】構造型リサーチクエスチョンの作り方(高校生向け)
- 🌐 教育 × 探究テーマとリサーチクエスチョン
- 🌐 心理 × 探究テーマとリサーチクエスチョン
最後に:迷ったら相談してください
探究テーマや志望理由書で迷ったときは、いつでもご相談ください。
一緒に、“あなたの言葉”を形にしていきましょう。
- 「AIっぽい」文章になっていないかチェックしたい
- 体験をどう“本物の言葉”に変えるか迷っている
- 自分らしい声を取り戻したい
- 評価者に伝わる“人間味”の出し方を知りたい
これらを一緒に整理していきます。
AIが整える時代だからこそ、
整いすぎない“あなたの言葉”を見つける時間が大切です。
✔ 診断メニュー(まずは方向性だけでもOK)
- 探究テーマの方向性チェック
- 志望理由書の方向性チェック
- 体験の意味づけ整理
- 価値観(芯)の言語化
- ストーリー構成の診断
- AIとの使い分けアドバイス
まずは方向性チェックだけでもOK👇





