近年、日本の大学入試で「探究学習」の重要性が急速に高まっています。
総合型選抜や推薦入試では、どんな探究活動に取り組み、何を学んできたかが評価の中心になりつつあります。
でも──なぜ大学は“探究”を欲しがるのでしょうか?
その裏側には、社会・教育・国際基準という大きな流れがあります。
1. 暗記から問題解決へ:社会が変わった
AI時代において、単なる知識の暗記はすぐに検索や機械に代替されます。
社会が求めるのは──
👉 「自ら問いを立て、解決し、新しい価値を生み出す人材」。
大学もまた、そうした人材を育てることを使命とし、入試で「探究経験」を重視するようになっています。
2. 受け身からアクティブへ:教育の進化
大学教育自体が「受け身」から「アクティブ・ラーニング」へと変化しています。
- 問題発見・解決能力
- 論理的に考える力
- 協働して取り組む力
- 自ら研究するスキル
これらは一夜漬けの勉強では身につきません。
高校段階から探究に取り組んでいたかどうかが、そのまま大学での学びの質に直結します。
3. 世界基準との接続:グローバル化の圧力
日本の大学は国際ランキングの向上を目指し、世界基準に合わせています。
- ハーバード・スタンフォード:探究や課外活動を最重要視
- IB(国際バカロレア):必修でリサーチ型エッセイ(Extended Essay)
- Common Application(米大学出願):探究や活動歴の記載が必須
つまり、日本の大学が探究を評価するのは「グローバルスタンダードへの適応」でもあるのです。
【つぶやき】
外山滋比古氏の『思考の整理学』では、日本の教育を「グライダー」、西洋の教育を「飛行機」にたとえています。
外部の力で飛ぶグライダーのような学習に対して、自力で飛び立つ飛行機のような学習。
今の日本の大学入試改革は、まさに“飛行機型”へのシフトを象徴しているのかもしれません。
4. 中高校生にとっての意味
探究学習は「入試のため」だけではありません。
大学進学後、そして社会に出てからも役立つ“学びの基盤”です。
✅ 興味から問いを立てる
✅ 情報を集め、考え、まとめる
✅ 他者に伝える
この繰り返しが「あなたの物語」を形づくっていきます。
まとめ:探究は入試を超える力になる
大学が“探究”を欲しがるのは──
- 社会が「解決する力」を求めているから
- 教育が「アクティブ化」しているから
- 世界基準に近づく必要があるから
そしてそれは、総合型選抜や推薦入試の実際の評価とも直結しています。
👉 「点数よりも、どんな物語を語れるか」が試されているのです。
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