②任意提出資料を出すべき人・出さない方がいい人
シリーズ目次
本シリーズでは、総合型選抜における任意提出資料について、
実際の合格資料の観察を手がかりに整理します。
形式を模倣することを目的とするのではなく、
読み手の理解を助ける設計の視点を共有することを目的としています。
第1部:任意提出資料を理解する
― 役割・分量・評価の読み解き
① そもそも任意提出資料とは何なのか
② 任意提出資料を出すべき人・出さない方がいい人
③ 任意提出資料は何ページ必要?
― 合格資料から見る分量の現実
④ 読まれる任意提出資料は何が違うのか
― 合格資料に共通する設計
⑤ なぜ合格資料は読み進めたくなるのか
― 思考が伝わる視覚設計
第2部:任意提出資料を設計する
― 構成・視覚・仕上げの実践
⑥ 任意提出資料を作る前に整理しておくこと
⑦ 任意提出資料のページ構成の作り方
― 理解される流れの設計
⑧ 図・写真・注釈はこう使う
― 視点が伝わる資料設計
⑨ 提出前に必ず確認したい5点
― 任意資料の最終調整
⑩ 任意提出資料の作り方まとめ
― 合格資料から学ぶ設計プロセス
― 判断のための整理
前回の記事では任意提出資料の制度上の位置づけを整理しました。
ここでよくある質問があります。
「任意提出資料は出した方がいいのでしょうか?」
結論から言えば、全員が提出すべきものではありません。
重要なのは提出の有無ではなく、提出することで理解が深まるかどうかです。
本記事では判断のための観点を整理します。
任意提出資料を出す価値がある場合
次のような状態にある場合、提出が有効に機能する可能性があります。
・探究活動や研究過程を視覚的に示せる
・志望理由書だけでは伝えきれない理解がある
・観察・分析・試行の流れを整理できている
・写真・図・データなどの補助資料がある
・自分の視点や関心の展開が見える
このような場合、任意資料は評価者の理解を助ける媒体として機能します。
つまり
説明を補強する役割があるとき
提出する意味があります。
任意提出資料を出さない方がよい場合
一方で、次のような状態での提出は効果が限定的になることがあります。
・活動記録の羅列になっている
・意味整理がされていない
・思考過程が見えない
・志望理由書と内容が重複している
・構造化されていない資料
この場合、追加情報ではなく情報量の増加にとどまり、理解促進につながらない可能性があります。
任意資料は提出すること自体が評価対象になるわけではありません。
判断基準
提出を検討する際の簡易判断として、次の問いが有効です。
・これがあることで理解が深まるか
・思考の過程が見えるか
・自分の関心が伝わるか
・文章だけでは伝わらない内容か
これらに肯定的に答えられる場合、提出を検討する価値があります。
ただし、
・これがあることで理解が深まるか
この点は、すでに資料があるかどうかだけで判断する必要はありません。
探究の整理や振り返りを通して、理解を助ける形にまとめ直すことも可能です。
つまり任意提出資料は「あるものを出す」だけではなく、
自分の考えや過程が伝わりやすくなるように工夫して整えていく対象として捉えることができます。
まとめ
任意提出資料は戦略的に使用されるべき手段です。
必須でも有利でもありません。
重要なのは
・情報を増やすことではなく
・理解を助けること
提出の判断は量ではなく設計の観点から行うことが望ましいと言えます。
次回は、「③任意提出資料は何ページ必要?」です。
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