考察型探究:なぜ「3つの視点」で考えると理解が深まるのか
前回の記事では、
「考察型探究」
についてご紹介しました。
考察型探究では、
一つの問いについて、
複数の視点から考えることが重要です。
では、
なぜ視点を増やすと理解は深まるのでしょうか。
今回は、その理由について考えてみたいと思います。
一つの視点だけでは見えないことがある
例えば、
「なぜ学校でごみの分別が徹底されないのか」
という問いがあったとします。
このとき、
生徒だけに話を聞くと、
「面倒だから」
という答えが返ってくるかもしれません。
しかし、
それだけで結論を出してしまうと、
見落としてしまうものがあります。
例えば、
- ごみ箱の表示がわかりにくい
- 分別ルールが複雑
- 学校の説明が十分ではない
といった要因です。
つまり、
一つの視点だけでは、
問題の全体像が見えないことがあります。
視点が増えると、見える景色が変わる
先ほどの例なら、
- 生徒の視点
- 学校環境の視点
- 学校運営の視点
という3つの視点で考えることができます。
すると、
「生徒の意識が低いから」
という単純な説明ではなく、
複数の要因が関係していることが見えてきます。
これは、
社会問題だけではありません。
例えば、
「なぜ地方の商店街は衰退するのか」
なら、
- 消費者の視点
- 店舗経営者の視点
- 地域社会の視点
から考えられます。
「なぜ学校によって校則が違うのか」
なら、
- 生徒の視点
- 教師の視点
- 学校運営の視点
から考えられます。
視点が増えると、
問いに対する理解も深まるのです。
なぜ「3つ」なのか
ここで、
「4つではだめなの?」
と思う人もいるかもしれません。
もちろん、
テーマによっては4つでも5つでも構いません。
ただ、
中高生の探究では、
まずは3つ程度の視点から考えてみることをおすすめしています。
理由は単純です。
3つあると、
比較ができるからです。
1つでは単なる説明。
2つでは対立。
3つになると、
複数の関係性が見えてきます。
良い考察は「情報量」ではなく「視点」で決まる
探究というと、
たくさん調べた人が有利だと思われがちです。
もちろん調査は大切です。
しかし、
私たちが探究論文を読んでいて感じるのは、
必ずしも情報量だけで差がつくわけではないということです。
むしろ、
どの視点から考えたのか
によって、
考察の深さは大きく変わります。
同じテーマでも、
視点が違えば、
まったく違う探究になります。
探究のオリジナリティは視点に表れる
探究のオリジナリティというと、
珍しいテーマを探そうとする人がいます。
しかし、
私たちはそうは考えていません。
むしろ、
オリジナリティは、
どの視点から問いを見るか
に表れることが多いと思っています。
テーマが同じでも、
視点が違えば、
見える世界も変わります。
そこに、
その人らしい探究が生まれるのです。
次回:考察型探究は、どう論文にするのか
ここまで、
考察型探究の考え方について説明してきました。
では実際に、
考察型探究を論文としてまとめるときは、
どのような構成になるのでしょうか。
次回は、
「考察型探究は、どう論文にするのか」
について考えてみたいと思います。
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