その「しんどさ」は、どこから生まれるのか
探究がつらい。
そう感じている高校生は、決して少なくありません。
- 問いが出ない
- 何を書けばいいのかわからない
- 発表になると頭が真っ白になる
- 周りは進んでいるように見えて、焦ってしまう
「自分だけが、探究に向いていないのではないか」
そんなふうに感じてしまう人もいると思います。
でも、まず最初に整理しておきたいことがあります。
探究がつらいのは、珍しいことではない
探究を「つらい」「苦手だ」と感じるのは、
決して珍しいことではありません。
多くの場合、
どう考えればいいかを段階的に練習するための足場が、
途中で抜け落ちているだけです。
これは、本人の努力不足や能力の問題ではありません。
探究は、これまでの学びと性質が違う
多くの教科学習では、
- 問題が与えられる
- 正解が決まっている
- 手順をなぞれば評価される
という形で学びが進みます。
一方、探究では、
- 何を問うかを自分で決める
- どこまで調べるかも自分次第
- 正解があるかどうかも分からない
という、まったく違う思考の使い方が求められます。
これは「難しいから」ではなく、
これまで練習してきた思考とは種類が違うだけです。
「問いが出ない」は能力の問題ではない
「問いが出ません」という相談は、とても多いです。
けれど実際には、
- 問いの立て方を教わっていない
- 問いには“型”があることを知らない
- 比較や変化といった視点を使ったことがない
というケースがほとんどです。
つまり、
問いが出ない
=考えられない
ではありません。
考え方を練習する順番が、途中で省略されているのです。
比較されやすい構造が、つらさを増幅させる
探究では、
- テーマが目立つ人
- 発表がうまい人
- 先生に評価されやすい人
が、どうしても見えやすくなります。
しかし、
- 目立つ探究
- 深く考えられている探究
は、必ずしも一致しません。
このズレが、
「自分はダメなのではないか」という感覚を
強めてしまうことがあります。
Episode 1 のまとめに代えて
探究を「つらい」「苦手だ」と感じるのは、
決して珍しいことではありません。
多くの場合、
どう考えればいいかを
段階的に練習するための足場が、
途中で抜け落ちているだけです。
■ 次回予告
探究が合う人・合わない人
Episode 2|「合わない」は才能の問題ではない
合わせてどうぞ!

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