そのリサーチクエスチョン、進化していますか?


―― 惜しい問いから深い問いへ ――

こんにちは、高校生のみなさん!

探究活動でリサーチクエスチョン(研究の問い)を立てたあと、
「このままでいいのかな?」
「なんだか浅い気がする…」
と感じることはありませんか?

実はそれ、とても良いサインです。
リサーチクエスチョンには、「進化」があるんです。

リサーチクエスチョンは、立てたあとが勝負!

最初に立てた問いは、あくまで“出発点”。

探究を進めながら情報を集めたり、誰かの話を聞いたりしているうちに、
「もっと深く知りたい」
「他の視点もあるのでは?」
という気づきが生まれます。

そんなとき、リサーチクエスチョンを「進化」させることで、探究の質がぐんと上がります。

惜しいリサーチクエスチョンとは?

一見よさそうに見える問いでも、「惜しい!」というケースは多いです。

たとえば、こんな問い、見たことありませんか?

  • スマホの使用時間と成績に相関はあるか?
  • 制服に対する意識に違いはあるか?
  • 英語を使う機会の有無でモチベーションに差はあるか?

どれも比較や調査はしやすそうですが、「なぜそれを調べたいの?」「どんな意味があるの?」という部分が見えてきません。

深まりのあるリサーチクエスチョンに進化させる3つの視点

① 背景や意味に踏み込む
→ 単なる「ある or ない」ではなく、その背景や理由に迫る問いに。

② 視点をずらしてみる
→ 個人と集団、過去と現在、異なる条件同士を多角的に比較してみる。

③ 意識や変化にも注目する
→ データだけでなく、「どう感じたか」「どう変わったか」など、主観的な変化を探る問いにする。

Before → After:リサーチクエスチョンの進化例

📱 スマホと学習の関係

惜しいリサーチクエスチョン進化したリサーチクエスチョン(例)
スマホの使用時間と成績に相関はあるか?スマホを学習目的で使う高校生と、娯楽中心の使い方をする生徒では、学習への主体性にどのような違いがあるか?
通知をONにしたまま学習している高校生は、集中力や作業効率にどのような影響を受けているのか?
学習アプリ利用経験がある高校生と紙教材中心の生徒では、学習習慣や理解度にどんな差があるか?

🎽 制服と生徒の意識

惜しいリサーチクエスチョン進化したリサーチクエスチョン(例)
制服に対する意識に違いはあるか?制服を義務と感じる高校生と、アイデンティティの一部と感じる高校生では、学校生活への満足度や帰属意識に違いがあるか?
私服通学の高校と制服通学の高校で、服装選択による心理的負担や自己表現への影響はどう違うか?
制服を着ることが、“自分らしさ”の感覚や学校文化への認識にどう影響を与えているか?

🌍 英語学習とモチベーション

惜しいリサーチクエスチョン進化したリサーチクエスチョン(例)
英語を使う機会の有無でモチベーションに差はあるか?英語を実際に使う経験を持った高校生は、英語学習に対する目的意識や自己効力感がどう変化したか?
「話せるようになりたい」動機を持つ高校生は、学校の英語授業にどんな期待や不満を抱えているのか?
英語学習の目的に対して、試験以外にどんな価値を見出しているのか?その背景には何があるのか?

まとめ:問いが変われば、探究が変わる

最初に立てたリサーチクエスチョンに違和感を感じたら、それは“進化のサイン”。

  • 本当に調べたいことは何か?
  • 自分にしかできない視点はどこか?
  • その問いに、どんな価値があるのか?

問いを磨けば、あなたの探究が深くなります。

▶次のステップはこちら(第3弾)


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