総合型入試に立ちはだかる「英語の壁」
総合型選抜(AO入試)は、学力試験だけでは測れない力を評価する新しい入試制度です。
しかし、理系志望の学生にとっては思わぬ壁が立ちはだかります。
それは英語資格の出願要件です。
たとえば東京理科大学の2026年度総合型選抜。
出願資格には、外部英語試験で一定のスコアを満たしていることが求められています。
代表的なものが英検準1級レベル(CSE1950以上)。
理系の高校生にとって、研究や探究活動は得意でも、英検準1級を突破するのは大きな負担です。
そのため「英語資格がないから総合型は無理」と、挑戦をあきらめてしまうケースも少なくありません。
要項をよく読むと見えてきた「意外な事実」
ところが、募集要項をじっくり調べてみると、意外な事実に気づきます。
東京理科大が定める出願資格スコアを、試験ごとに横並びにしてみると──
東京理科大学 総合型選抜 外部英語試験の基準(2026年度要項より)
試験名 | 出願基準スコア | 英検換算目安 | TOEIC換算目安 | TOEFL iBT換算目安 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
英検(S-CBT含む) | CSE1950以上 | 準1級合格レベル | TOEIC 800前後 | TOEFL iBT 70前後 | 級・合否は問わない |
TEAP | 225以上 | 英検2級上位〜準1級下位 | TOEIC 450–500 | TOEFL iBT 42相当 | – |
TEAP CBT | 420以上 | 同上 | TOEIC 500前後 | TOEFL iBT 42相当 | – |
GTEC CBT/検定版 | 930以上 | 準1級相当 | TOEIC 750–800 | TOEFL iBT 65–70 | アセスメント版不可 |
TOEIC (L&R+S&W) | 合計1150以上 | 準1級上位〜1級下位 | TOEIC L&R 730+S&W170程度 | TOEFL iBT 65–75 | S&Wを2.5倍換算 |
TOEFL iBT | 42以上 | 英検2級上位〜準1級下位 | TOEIC 450–500 | TOEFL iBT 42 | MyBestスコア不可 |
IELTS(Academic) | 4.0以上 | 英検2級下位〜2級上位 | TOEIC 450前後 | TOEFL iBT 42 | One Skill Retake不可 |
ケンブリッジ英検 | 140以上 | 英検2級程度 | TOEIC 450–550 | TOEFL iBT 45–50 | Linguaskill不可 |
📖 出典:
英検準1級は高すぎる? TOEFL42という突破口
表を見れば一目瞭然です。
- 英検準1級(CSE1950) はTOEFL iBT70前後に相当する高い壁。
- しかし、TOEFL iBT42やIELTS4.0 は、英検2級上位〜準1級下位レベル。
つまり、英検準1級に届かなくても、TOEFLやIELTSであれば出願要件を満たせる可能性があるのです。
これは理系志望の学生にとって大きな戦略的ポイントです。
理系学生こそ英語資格を武器にせよ
理系の研究では、大学に入ってからも英語は避けられません。
- 英語論文を読む
- 国際学会で発表する
- 大学院や研究職では海外との共同研究が当たり前
総合型入試の「英語資格要件」は、単なる入試の壁ではなく、将来への準備そのものです。
👉 英検準1級にこだわりすぎず、TOEFLやIELTSを調べてみる。
👉 「壁」を「戦略」に変える。
それが、理系学生が総合型入試に挑戦するときの新しい道筋になります。
まとめ
- 総合型入試の志願者が少ない理由のひとつは「英語力の壁」。
- しかし要項を読み込むと、英検準1級より低い基準で出願できる試験がある。
- 特に理系の学生にとっては、TOEFLやIELTSが突破口になる。
理系こそ、留学試験を武器に総合型入試へ挑もう!
こちらから!英語資格テストの比較記事も読んで見てください![英検準1級=TOEFL何点?CEFRでわかる英語試験の全体像]

