こんにちは、高校生のみなさん!
探究活動が始まると、「何から始めたらいいかわからない」「時間が足りなかった」「最後にうまくまとまらなかった…」という声をよく聞きます。
実は、探究活動でよくある失敗には共通点があります。そのひとつが、「計画がうまくできていないこと」です。
よくある失敗とその対策
失敗しやすいポイント | 対策のヒント |
---|---|
テーマが決まらない | 興味のあることを3つ書き出し、誰かと相談して絞る |
情報収集に時間がかかりすぎる | 最初から幅広く集めず、問いに合った資料をしぼる |
最後に時間が足りない | 早めに成果物の構成を考えておく |
リサーチクエスチョンが曖昧 | 「なぜ?」「どうして?」と問い直す練習をする |
計画が探究を成功させるカギ
探究活動は自由だからこそ、「自分で時間と学びをデザインする力」が求められます。だからこそ、計画がとても大切。
今回は、期間に応じた2つの計画スタイルを紹介します。
【1か月プラン】短期間で進める探究(例:夏休みや集中講座など)
第1週:テーマ決定・リサーチクエスチョンを立てる
- 興味のあるテーマを出す
- どんな疑問があるかを言葉にする
- 問いが具体的になっているかチェック!
第2週:情報収集
- 図書館やネットで文献を調べる
- インタビューやアンケートの準備と実施
第3週:考察・まとめ
- データを分類し、見えてきたことを言葉にする
- 問いに対しての答えを整理する
第4週:成果物作成・発表準備
- レポートやスライドを作る
- 発表の練習をして、時間配分も確認
【3か月プラン】じっくり取り組む探究(例:授業内・長期プロジェクト)
1か月目:テーマ設定と問いの明確化
- 興味のあるテーマをリストアップ
- 「なぜ?」と深掘りしながら問いを練る
- 友達や先生に相談してみよう
2か月目:資料調査とフィールドワーク
- 本や論文で先行研究を調べる
- 必要に応じてアンケートや観察を実施
3か月目:分析・成果物作成・発表準備
- 情報を整理し、自分の意見を明確にする
- 結論や提案を含むレポートをまとめる
- 発表資料を作り、練習する
リサーチクエスチョンがすべての出発点
「探究って何から始めればいいの?」という人こそ、まずは問いを立てるところから始めましょう。
- 例:なぜ高校生は朝ごはんを食べないのか?
- 例:スマホの使い方によって学力に違いは出るのか?
- 例:地域の交通課題はどのように解決できるのか?
この問いがしっかりしていると、その後の情報収集も考察も発表もぐっと楽になります。
チェックリスト:探究活動の進め方を確認しよう!
探究のスタート段階(テーマ決定・リサーチクエスチョンの設定)
- 興味のあることや不思議だと思うことを、思いつく限り紙に書き出す(最低10個)
- その中から「自分が調べてみたい」と思うテーマを3つ選ぶ
- 3つのテーマについて、「なぜそれに興味があるのか」を文章で書いてみる
- 選んだテーマについて、インターネットや本でざっと調べ、すでに研究されている内容を確認する
- その中で一番「自分なら新しい視点で考えられそう」と思うテーマを1つにしぼる
- テーマに対して「なぜ?」「どうして?」「どうなっているの?」と問いかける
- 自分なりのリサーチクエスチョンを立てる(答えが1つに決まらない問いか?)
- その問いに必要な情報の種類(統計・人の声・現地観察など)を考える
- 教師または友人にリサーチクエスチョンを伝えて、意見をもらう
- リサーチクエスチョンを改善する(言葉を整理、範囲を明確に)
情報収集・調査の段階(資料・データの集め方)
- 図書館・ネット・新聞・専門サイトなど、複数の情報源を使って調べる
- 調べるときは「誰が書いたか」「いつ書かれたか」「根拠があるか」をチェックする
- 必要な情報はすぐ使えるようにノート・スプレッドシートなどにまとめておく
- 参考にした本・記事・ページの出典を記録(タイトル・著者・URL・日付など)
- フィールドワークやインタビューが必要な場合は、事前に許可・日程調整をする
- アンケートを行う場合は、目的・対象・質問数・回答方法を事前に決めておく
- 調査中の記録を残す(いつ・どこで・誰に・どんな方法で)
- 調査の途中で困ったことがあったら、必ず記録しておく(後の分析に役立つ)
まとめ・発表の準備段階(考察・成果物の作成)
- 集めた情報を整理する(似たものどうしをグループ化)
- リサーチクエスチョンに対する答えの「仮の結論」を自分なりに出す
- 結論に至った根拠をデータ・事例・引用などを用いて示す
- スライドやポスター、レポートなど、形式を決めて構成を考える
- 「何を一番伝えたいか」を一言で言えるようにしてから作業を始める
- 成果物のたたき台(ドラフト)を早めに作り、先生や友達に見てもらう
- フィードバックを受けて、わかりやすく修正する
- 発表練習をする(1人で・友人の前で・ストップウォッチで時間を計って)
- 発表中に使う資料やセリフに自信が持てるよう、練習を繰り返す
次回は「集めた情報の整理のコツ」について紹介予定です。お楽しみに!
リサーチクエスチョンの立て方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。https://educational-enhancement.com/リサーチクエスチョンは探究の設計図!成功のカ/