東京理科大の総合型選抜は、早慶のように「社会問題に自分の意見を展開する」タイプとは大きく異なります。理科大が重視しているのは 「基礎学力を土台とした科学的思考を、いかに論理的に説明できるか」。
その背景には、各学部のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)があります。
学部別アドミッション・ポリシー比較
まず、各学部が公式に掲げているアドミッション・ポリシーを整理しました。
学部 | 特徴的に強調されている点 |
---|---|
理学部第一部 | 数学・物理・化学の基礎力 |
薬学部 | 健康・疾病克服への社会貢献 |
工学部 | 社会への責任意識 |
創域理工学部 | 学際性と協働 |
創域情報学部 | 情報分野での探究と共創 |
先進工学部 | 新領域開拓、俯瞰力 |
経営学部 | 倫理観と国際的リーダー性 |
理学部第二部 | 社会人との協働、両立への意欲 |
👉 全学部に共通しているのは「基礎学力+思考力・判断力・表現力+国際性+協働意欲」です。
その上で、各学部ごとに社会貢献の方向性や専門性が加えられています。
理系ならではの発信力!
東京理科大は2026年4月に新設される 「理学部第一部 科学コミュニケーション学科」 を見ても分かるように、理系分野においても 「理系ならではの発信力!」 を育てることに力を入れています。
つまり、単に科学を理解するだけでなく、それを他者に伝え、社会につなげる力を持つ人材を求めているのです。
だからこそ、一見すると「たんなる問題に対する回答」と思える出題形式を、あえて 「小論文」 と位置づけているのです。
計算や知識そのものではなく、説明力・論理性・発信力 を測る試験であることがここに表れています。
理科大型小論文=「科学的思考+説明力」試験
理科大の小論文は「数学や理科を使った解答力」を問うだけの試験ではありません。
- 問題に対する解き方を筋道立てて説明できるか
→ 数式や現象を「ただ解ける」だけでなく、「なぜその方法か」を他人に伝える力。 - 自分の意見を論理的に述べられるか
→ 単なる「模範解答」ではなく、解き方や考え方に対する「自分なりの視点」を展開できるか。
まとめると、
👉 理科大型小論文=「科学的思考+説明力」を測る試験
- 解答力(正解する力)よりも、説明力・論理性・表現力が評価軸。
- さらに、自分の意見を加えて「考察」に深みを出せるかが問われています。
戦略的アドバイス
- 「解き方の選択理由」を必ず言語化する
- 「他の方法との比較」や「解法の意味」を一言添える
- 「自分はこう考える」という立場を論理的に補強する
これは単なる試験対策にとどまらず、将来研究活動や社会実装の場で求められる 「科学を説明する力」 そのものです。
まとめ
- 東京理科大のアドミッション・ポリシーは「基礎学力+思考力・表現力+社会性」を一貫して強調している。
- その延長として、小論文は「科学的思考を論理的に説明する力」を測る試験になっている。
- 戦略的に取り組むには、解法の理由を説明し、自分の意見を論理的に展開する練習が不可欠。
👉 次回(シリーズ第2弾)では、実際の過去問を分析し、各学部の小論文の傾向と対策を具体的に紹介します。
📎 参考リンク
- 2026年度 東京理科大学 総合型選抜 募集要項(PDF)
公式サイトはこちら
🔗 過去記事のご案内(東京科学大学シリーズ)
- 東京科学大学シリーズ第1弾:「科学の進歩 × 人々の幸せ」をどう志望理由書に活かすか
- 東京科学大学シリーズ第2弾:徹底的な学院リサーチで差をつける
- 東京科学大学シリーズ第3弾:総合型選抜 志望理由書 ― 学院ごとの書き分け戦略
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