👉 前回の記事「科学の進歩 × 人々の幸せ」をどう志望理由書に活かすか
東京科学大学の総合型選抜を突破するためには、大学全体の理念「科学の進歩 × 人々の幸せ」を理解するだけでは不十分です。徹底的に学院をリサーチし、自分の探究経験と重ねることが決定的な差になります。
では、何をリサーチすべきなのでしょうか。
- 研究内容・研究環境:教授や研究室のテーマ、研究成果、論文や著書
- 卒業生の進路や活躍:どの分野でどのように社会に貢献しているか
- 学院の特色:各学院が求める人材像と、その強調点(自由な発想、協働力、倫理観、国際的視野など)
これらを具体的に調べ、自分のこれまでの探究経験や将来の志とつなげて語ることが、他の志願者との差別化につながります。
各学院が求める人材像:共通点と違い
学院 | 共通点(全学院に通じるもの) | 違い・特徴的に強調されているもの |
---|---|---|
理学院 | 自然科学への強い関心、主体的学び、十分な学力・表現力 | 自然界の仕組みを深く知りたい好奇心、自由な発想、他者との議論 |
工学院 | 基礎学力、学ぶ意欲、コミュニケーション力 | 工学知識で生活を豊かに、協働力、柔軟な発想と多角的視点 |
物質理工学院 | 自然科学の基礎学力、柔軟な発想、学習意欲 | 材料科学・応用化学への特化、環境調和型社会への貢献 |
情報理工学院 | 数学・理科の基礎学力、興味・関心 | 数理科学・コンピュータへの関心、情報化社会の発展に貢献する志 |
生命理工学院 | 理工系の基礎知識、論理的思考、集中力、語学力 | 生命現象の探究、倫理観、生命理工学の発展に貢献する意欲 |
環境・社会理工学院 | 理数系の基礎知識、語学力、主体的学び | 人文社会科学との融合、持続的発展への志、国際的な視野と教養 |
「この学院じゃないとだめ」と説得するための3つの具体的裏付け
1. 自分の探究的課題や方法との合致
高校での探究活動や課題研究の経験を振り返り、それが学院の研究の姿勢やアプローチとどのように響き合うかを示します。
👉「高校で□□を探究する中で△△という手法を試みました。この経験は、◯◯学院が重視する□□分野の研究姿勢と親和性が高いと感じています」
2. 研究内容・研究環境のリサーチ
教授の研究テーマや研究室の活動を調べ、それを自分の学びの起点として位置づけます。
👉「私は◯◯教授の□□研究の内容や研究手法を学びながら、そこに△△という視点を加えて研究を進めていきたいです」
3. 卒業生の進路や活躍事例
卒業生の事例から自分が学んだことを明確にし、将来の志につなげます。
👉「◯◯分野で活躍する卒業生の事例から、研究が社会にどのように実装されるのかを学びました。私も□□の分野でこの学びを活かし、△△という形で社会に貢献していきたいです」
まとめ
このように 過去(自分の探究経験)→現在(教授・研究環境での学び)→未来(社会貢献の志) というストーリーを意識して裏付けを組み立てることで、志望理由書全体が説得力を持ち、「この学院だからこそ学びたい」というメッセージが明確になります。
つまり、共通の土台(大学理念)を踏まえたうえで、徹底した学院リサーチを行い、自分の探究経験と結びつけて語る。これが、東京科学大学の総合型選抜を突破するための最重要ポイントです。
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令和8(2026)年度 東京科学大学 総合型選抜 学生募集要項(PDF)
次回予告
東京科学大学シリーズ第3弾では、各学院の人材像にどう合わせて志望理由書を書き分けるか を具体的に解説します。実際に「理学院ならこう」「工学院ならこう」といった書き方の視点を提示し、面接でも役立つヒントを紹介します。
