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ストーリーで書こう!探究レポートがスラスラ書けるワークシート(中学生向け)


こんにちは、中学生のみなさん!

探究活動で「レポートを書いてね」と言われたとき、「どうやって書けばいいの?」「むずかしい言葉を使わないといけないのかな…」と不安になることはありませんか?

でも、大丈夫。探究レポートは“ストーリー”のように書いていくと、スムーズに進められます。

1.ストーリーを語るように、探究の「レポート」を書こう!

たとえば、こんな流れで考えてみてください:

  • 「こんなことが気になった」
  • 「だから、調べてみようと思った」
  • 「やってみたら、こんなことがわかった」
  • 「だから、私はこう考えた」

自分の体験や気づきを「問い」から始まるストーリーとして伝えることで、読む人の心にも届くレポートになります。

2.実際のワークシートとサンプル論文を見てみよう!

今回は「図書委員としての気づき」から始まる探究テーマをもとに、実際のワークシートとサンプル論文を紹介します。

「図書室の利用が偏っているのでは?」という身近な疑問をもとに、自分でデータを調べ、考察してまとめていく流れになっています。

まずは、探究の設計図となるワークシートからどうぞ👇

〜問いとストーリーで伝える、図書室の未来〜

【1】テーマと問いを考えよう

テーマ:
学校の図書室をたくさん利用する人と、まったく利用しない人がいる。

リサーチクエスチョン(問い):
どうしたら、図書室をまったく利用していない人にも、本を手に取ってもらえるようになるのか?

【2】調べてわかったこと(先行研究・資料)

・○県△市立A中学校の図書委員会による2022年度の調査では、「年間に1冊も本を借りていない生徒」が全体の約30%にのぼった。
・一方、同じ県内のB中学校では、ジャンル別コーナーやおすすめ本の展示、先生の推薦ポップなどを設けたところ、貸出数が前年度の1.5倍に増えたという報告がある。

【3】自分の調査方法を決めよう

・貸出記録(過去1年間)を確認し、生徒ごとの貸出冊数を集計
・アンケートで「図書室を利用しない理由」「読みたいジャンル」などを調査
・ポップを設置して、変化を観察

【4】調査の結果をまとめよう

・貸出が多い生徒とゼロ冊の生徒の差が大きい
・借りない理由として「選び方がわからない」「入りにくい」が多かった
・ポップ設置後、ゼロ冊層の一部に貸出が見られた

【5】そこからわかることを考えよう(考察)

・図書室の利用のしやすさがカギ
・「きっかけ」の有無が行動を分けている可能性

【6】まとめとこれからの課題

・図書室の本の魅力をどう伝えるかが大切
・おすすめの見せ方や新しい取り組み(ペア貸出・ジャンル棚など)を考えたい

このワークシートをもとに、次は簡易バージョンの探究論文を書いてみました。

📄図書室の本、だれのもの?
〜図書委員の私が考えた「利用の差」とその解決法〜

私は中学〇年で、図書委員をしています。毎日貸出カードを確認している中で、あることに気づきました。

それは、本をたくさん借りる生徒と、まったく借りない生徒が、はっきりと分かれているという現実です。

昨年度の貸出冊数は、平均すると「1人あたり〇冊」でした。しかしこの平均値だけでは、図書室がどのように使われているのか、本当の実態は見えてきません。「誰が、どれだけ、どう使っているのか」という中身に目を向けることが、図書室の役割を考えるうえで大切だと感じました。

まず私が疑問に思ったのは、「なぜ一部の生徒は、まったく図書室を利用しないのか?」ということです。

その理由を考える中で、さらに「そうした生徒にも、本を手に取ってもらうにはどうすればよいのか?」という問いが生まれました。図書委員である私にとって、この問いに向き合うことは大切な責任でもあると感じました。

📚 資料と準備

まず、○県△市立A中学校の図書委員会が行った2022年度の調査では、
「年間に1冊も本を借りていない生徒」が、全校生徒の約30%にのぼるという結果が出ました。
このことから、自分の学校だけでなく、他の学校でも図書室の利用に大きな偏りがあることがわかります。

一方で、同じ県内のB中学校では、
「おすすめ本コーナー」や「ジャンル別の展示棚」を設けたところ、貸出数が前年度比で約1.5倍に増えたという報告があります(2023年度)。
さらに、図書室の入り口に「今月の一冊」や「先生のおすすめ」などのポップを設置したところ、
「図書室を初めて使った」「久しぶりに本を借りた」という生徒の声が寄せられたそうです。

私は自分の学校での実態を明らかにするために、貸出データの分析とアンケート調査を行うことにしました。

🔍 調査の方法

  • 貸出記録の分析:過去1年間の貸出冊数を全学年分まとめて集計し、生徒ごとの貸出傾向をグラフ化。
  • アンケートの実施:「図書室を利用する・しない理由」「読みたいジャンル」「図書室の入りやすさ・わかりやすさ」などについて、全クラスから無記名で回答を集めた。
  • 実験的取り組み:アンケート後、図書室を利用していない生徒向けに「おすすめ本の紹介ポップ」や「ジャンル別棚」を設置し、2週間後の貸出変化を記録した。

📈 調査の結果

1人あたりの平均貸出冊数は〇冊だったものの、実際には「20冊以上借りる生徒」と「まったく借りない生徒」が極端に分かれていました。全体の約40%が1年間に1冊も本を借りていないことがわかりました。

アンケートでは、「どこに何があるかわからない」「本を選ぶのがむずかしい」「図書室に入りにくい」などの理由が多く見られました。一方で、「おすすめされると読んでみたくなる」「友達と一緒に行けると入りやすい」といった声もありました。

新しく設置したポップやコーナーの効果については、これまで1冊も借りていなかった生徒のうち5名が、新たに本を借りるようになりました。※ここは、グラブや表が効果的です。

💡 考察

図書室を利用しない理由は「本に興味がないから」ではなく、「本との出会い方が見つからないから」なのではないかと感じました。「自分の読みたい本がどこにあるかわからない」「入っていい場所かどうか不安」といった気持ちが、図書室を遠ざけている可能性があります。

今回の調査と取り組みから、情報の見やすさや入りやすさが行動のきっかけになることがわかりました。ポップやジャンル表示、話題の本紹介など、ちょっとした工夫があれば、図書室をもっと身近な場所に変えていけると感じました。

📝 結論とこれから

つまり、図書室の利用を広げるには、「本そのもの」だけでなく「どう見せるか」「どう出会ってもらうか」の工夫が大切だということがわかりました。

私は図書委員として、ただ貸出数を見るのではなく、「誰が使っていないか」に注目し、その人たちにも本との出会いが生まれるように工夫をしていきたいと思います。

今後は、「ゼロ冊の人向け特集」「1人1冊おすすめカード」「読みやすさレベル別の棚」など、具体的な取り組みを考えながら、図書室をすべての生徒にとって意味のある場所にしていきたいです。

📚 参考にした資料

  • 文部科学省:「学校図書館の活用と学力の関係」https://www.mext.go.jp/(2025年4月参照)
  • 〇〇中学校 図書委員会貸出記録(2024年度)
  • 〇〇中学校生徒アンケート(2025年3月 実施)

※この文章は中学生向け探究論文の「簡易モデル」として作成された例です。

📌論文で避けたい表現と、伝わる言いかえ方

探究レポートでは、「なんとなく」「すごい」などのあいまいな言葉は、読む人に伝わりにくくなります。
ここでは、中学生が書きがちな表現をどう直すと伝わりやすくなるか、考えてみましょう。

❌使いがちな表現✅伝わる言いかえなぜダメ?/どう改善?
なんとなく〇〇だと思った〇〇の様子を見て、〜と感じた/〜と考えた「なんとなく」は理由がわからない。見たこと・聞いたことをもとに説明しよう
すごいと思った〇〇におどろいた/〇〇が特に印象に残った「すごい」では何がどうすごいのかわからない。具体的に気づいた点を伝えよう
やばいと思った〇〇は大きな問題だと思った/心配に感じたくだけた言い方は論文には向かない。ていねいな言葉で気持ちを伝えよう
とにかく〇〇〜という理由で〇〇になっている/〇〇だから〜すべきだ「とにかく」では理由にならない。原因や背景を考えよう
みんなやっている〇〇人中〇人がそう答えた(アンケートより)「みんな」はあいまい。自分で調べた数字や情報で示そう
びっくりした〜という点が予想とちがっていた/〇〇の理由を知っておどろいた感情だけでなく、「なぜそう感じたのか」をセットで伝えよう

レポートでは、「どうしてそう思ったのか」「なぜそれが大事なのか」を、自分の言葉でていねいに書くことが大切です。読む人に伝わるように、少しずつ書き方を工夫してみましょう。


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