こんにちは、高校生のみなさん!
探究学習では「テーマを決めたけれど、次にどう進めればいいの?」と悩むことはありませんか?
探究活動を成功させるためには、「リサーチクエスチョン(研究の問い)」を明確にすることが、まずはとても重要です。この記事では、探究テーマを深掘りし、良いリサーチクエスチョンを作る方法をわかりやすく解説します。
リサーチクエスチョンはとっても大切!
しかし、大学生でさえ、この「リサーチクエスチョンの大切さ」を認識していない人がいます。ただ漠然と興味あるテーマを選び、それについての資料を集め、字数を埋めながら書き進める、といった人が結構多いのです。これは「リサーチクエスチョンはどういうもので、なぜ必要なのか?」といった基礎的なことを、日本の大学では教わらないことが多い(多かった)からです。一方、アメリカの大学(院)では、リサーチクエスチョン作りに何週間も費やす授業もあります。最近では、日本の大学でも初年次教育などで研究の基礎を学ぶ機会も増えてきています。
「すばらしいリサーチクエスチョンがすばらしい探究(研究)をつくる!」といっても過言ではないのです。
1. リサーチクエスチョンとは?
リサーチクエスチョン(Research Question)とは、「探究活動で明らかにしたい具体的な問い」のことです。
なぜリサーチクエスチョンが必要なの?
- 探究の方向性が明確になる(何を調べるべきかがはっきりする)
- 必要なデータや情報を整理しやすくなる
- 結論を論理的に導きやすくなる
リサーチクエスチョンをしっかり設定すると、探究活動がスムーズに進みます!
2. 良いリサーチクエスチョンの条件
良いリサーチクエスチョンの3つの条件
条件 | 説明 |
---|---|
具体的である | 「〇〇について調べる」ではなく、「〇〇が△△にどのような影響を与えるか?」と明確にする |
探究の価値がある | 既に答えが出ているものではなく、自分ならではの視点や分析が必要な問いにする(注:探究レベルでは新規性は求められない) |
データや資料を使って検証できる | 実験、アンケート、統計データ、文献などを使って答えを導ける |
3. 探究テーマからリサーチクエスチョンを作る方法
ステップ1:探究テーマを決める
まずは、興味のある探究テーマを設定します。
例:「スマホの使用と学習効率の関係」
ポイント
- 自分が興味・関心のあるテーマを選ぶ
- 社会的に意義のあるテーマを考える
- 情報が集めやすいテーマを選ぶ
ステップ2:テーマを「問い」に変える
次に、テーマをより具体的な問いに変えていきます。
テーマ → リサーチクエスチョン
- テーマ:「スマホの使用と学習効率の関係」
- リサーチクエスチョン:「スマホの使用時間は高校生の学習効率にどのような影響を与えるか?」
ポイント
- 「何と何の関係を調べるのか?」をはっきりさせる
- 「なぜこの問いを調べるのか?」を考える
ステップ3:リサーチクエスチョンを具体化する
リサーチクエスチョンを具体的にしていきます。
「良い問い」への改善例
NG例 | OK例 |
「スマホは学習に悪影響か?」(あいまいすぎる) | 「スマホの使用時間が長い高校生は、短い高校生と比べて学習効率に違いがあるのか?」(具体的でデータが取れる) |
ステップ4:リサーチクエスチョンを深める
リサーチクエスチョンを深める方法
- 「なぜ?」を繰り返して掘り下げる
- 「比較」や「因果関係」を意識する
- 「データをどう集めるか?」を考える
具体例:探究の広げ方
テーマ:日本の高校生の英語力はなぜ低いのか?
- OKリサーチクエスチョン1:「英語スピーキングが得意な高校生と苦手な高校生の学習法の違いは?」(スピーキングに絞り、得意な生徒と苦手な生徒に分け、学習法の違いに着目し比較、クラスメートにアンケート可能、先生やクラスメートにインタビュー可能、得意と苦手という主観で分けるのか成績で客観的に分けるのか検討必要)
- OKリサーチクエスチョン2:「学校の授業のスタイルは英語力向上に影響しているのか?」(学校の授業スタイルに絞り、英語力向上との相関か因果関係に着目、調査研究データを集めやすい、誰かが過去に着目したリサーチクエスチョンでOK、自分なりの分析と考察が重要、いくつかの研究論文や調査データを比較し分析するのもOK
- NGリサーチクエスチョン!:「日本の高校生の英語スピーキング力は他国と比べてどれくらい低いのか?」(スピーキング力に絞る〇、比較〇、比較対象国が不明確×、データ収集のしやすさ〇、どれくらい低いのか分かったあと、なぜ低いのか?とテーマに戻ってしまう。スピーキング力が日本より高い国の学習方法などに着目し考察を深めるなら〇)
NGクエスチョンを具体化のための要素
- 比較対象の国→ どの国と比較するのか?(アジア圏?英語が母国語ではない国)
- 測定基準→ CEFR(A1〜C2)?TOEFL iBT?IELTS?
- スピーキングの側面→ 発音、流暢さ、語彙力、文法、即応性など
- 状況設定→ 日常会話?ディスカッション?プレゼンテーション?
改良版リサーチクエスチョン例
「日本の高校生の英語スピーキング力は、CEFR基準で見た場合、韓国や中国の高校生と比較してどの程度の差があり、その差にはどのような要因が影響しているのか?」(教育カリキュラム、学習時間、学習環境、文化的要素、英語への態度などを探る余地がある)※ちなみに、リサーチクエスチョンは1つでなくても、関連していれば、このように2~3つのクエスチョンでつなげるのもOK
4. まとめ
良いリサーチクエスチョンを作るコツ
- 「具体的な問い」にする(あいまいな表現を避ける)
- 「データをもとに答えられる問い」にする
- 「探究の価値がある問い」にする(新しい視点を加える)
探究活動を成功させるために、テーマをしっかり深掘りし、リサーチクエスチョンを明確にすることが大切です!